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師走に仏像たちが表参道で休息!? 彫刻家・三好桃加の個展「仁王像たちのオフの日、2025 冬」が12月5日よりスタート!

2025.12.02

彫刻家・三好桃加による個展「仁王像たちのオフの日、2025 冬」が2025 年12月5日(金)より tHE GALLERY OMOTESANDO にて開催される。

本展では、「仁王像たちのオフの日」をイメージして制作された、三好の最新シリーズだ。微笑ましくゆったりとした時間を過ごしている仁王像たちが表参道でくつろぐ姿を観ていただきたい。

■アーティストステートメント
神様や仏様に頼るという文化が薄れてきていると感じ、形を変えてなくなっていく文化に寂しさを覚え た時がありました。ですが、人がそれらを頼る時はきっと苦しい時です。神様仏様に頼らずに生きていけ ることは人々の生活基盤が整うことで平穏に生きていける証のように思えました。
仏像達を拝む習慣も少なくなったので、きっと仏像達は逆に暇を持て余しているだうな。そんな思いか ら「今まで私たちを見守り支えてくれた分までゆっくり楽しんで休んでほしい。」「人々がそれらに頼ら なくてもいいようになってほしい。」といういろんな願いを込めて、リラックスした働いてない「オフの 日」の仏像を制作しています。
この度は、このような素敵な場所で展示する機会をいただけて本当に嬉しく思います。ゆるりとした仁 王像達と共にリラックスして作品を観ていただければ幸いです。
ーー 三好桃加

■キュレーターコメント
彫刻家・三好桃加の最新シリーズ「仁王像たちのオフの日・2025 冬」は、仏像という常に人のために働き続ける存在に、そっと休息を与える発想から生まれたものだ。重厚さとユーモアが同居する彼女の作品は、宗教的な象徴性を軽やかに横断しながら、人間の内側にある「強さとやわらかさ」の両方を静かに照らし出していく。
三好が「仁王像たちのオフの日」というモチーフに辿り着いた背景には、幼少期の経験や家族との記憶、 そして家庭環境の中から仏像に感じてきた親近感がある。早くして亡くなった父への想い、厳格だった祖父との距離感。そうした個人的な物語が、彼女の彫刻に温度を与えている。
仁王像がスイーツを楽しんだり、散歩をしたりという一見コミカルなシーンは、単なる擬人化ではなく、 「強さの裏にある素の表情」をすくい上げる試みだと言える。制作プロセスもまた、作品の印象と同様に緻密で粘り強い。陶土を積層し、内部をワイヤーで切り抜き、空洞を確保しながら自立構造を作るという 手続きは、相当に高度な技術を要する。まさに素材との対話そのものだ。
三好は語る。「仏像が休めるというのは、いまが平和の証かもしれない」。宗教的役割が薄れつつある時代 を悲観するのではなく、休むことを許す世界として受けとめる。その視点は、現代における祈りの形や心の置き場について、穏やかな問いを投げかける。
本展では、これまでの親しみやすさに加え、より深い物語の余白が感じられる作品が並んでいるはずだ。 守る者としての仁王像、その裏側にある素朴な時間。その両方が等しく存在できる世界。三好桃加が描く のは、そんな「やさしい強さ」をめぐる風景である。
本シリーズが、観る人のなかに眠っている何かを静かに呼び起こしてくれることを期待したい。
ーー米原康正

 

【プロフィール】

<略歴>
1996年4月 香川県に生まれる
2015年3月 香川県立高松工芸高等学校 卒業
2020 年3月 東京藝術大学美術学部彫刻科 卒業
2022年3月 東京芸術大学大学院美術研究科 文化財保存学保存修復彫刻 修了

<受賞歴>
2014年 第79回香川県美術展覧会丸⻲市教育委員会会⻑賞
2020年 美術学部杜の会 杜賞(卒業制作) / 三菱地所賞(卒業制作)

Instagram:@mmk_1996
X:@GOEGOE05 

 

【開催概要】

タイトル:三好桃加 個展 “仁王像たちのオフの日、2025 冬”

会期:2025 年 12 月 5 日(金)〜12 月 26 日(金) 休廊日:月・火曜日

会場:tHE GALLERY OMOTESANDO(東京都渋谷区神宮前 5-16-13 SIX HARAJUKU TERRACE S棟 2F)

時間:12:00〜19:00   ※5日は17:00 Close