NEWS

HOME > NEWS > 何かを呼び起こすための枠組みとして肖像画を描く。レイモンド・レムストラの個展が3月7日より開催

何かを呼び起こすための枠組みとして肖像画を描く。レイモンド・レムストラの個展が3月7日より開催

2026.03.02

Raymond Lemstra
Personnage Fictionnel
2026
Oil on hanji mounted on wood panel
H162.2 x W130.3 x D4.5 cm
© Raymond Lemstra. Courtesy of NANZUKA

レイモンド・レムストラ(Raymond Lemstra)の新作個展「Good Looking」が、2026年3月7日(土)よりNANZUKA UNDERGROUND にて開催される。本展は、2024年に3110NZ by LDH Kitchen(現・鮨さいとう はなれ NANZUKA)で開催した日本初の個展に続く、NANZUKAにおける二度目の個展となる。

レイモンド・レムストラは、1978 年にオランダのフローニンゲンに生まれ、2004年にアカデミー・ミネルヴァを卒業。その後アムステルダムに拠点を移し、現在は韓国ソウルを拠点に活動している。これまでATM Gallery(ニューヨーク)、Unit(ロンドン)、Mini Galerie(アムステルダム)など、世界各地で個展を開催。近年では、D MuseumやTang Contemporary Art(ともにソウル)でのグループ展に参加するほか、Coleccion SOLO(マドリード)に収蔵されるなど、美術機関やコレクターからも高い評価を受けている。

レムストラの創作活動の根底にあるのは、グラファイトによる緻密な肖像画だ。一見すると忠実な写実絵に見えるその作品ですが、どこか遊び心を感じさせ、同時にシニカルさを併せ持つ匿名の人間像を描き出します。私たち鑑賞者は、その繊細さと力強さを併せ持つレムストラ特有の線によって、その脳内に映る写実と空想の境界に潜む幻想へと導かれる。

一方で、近年レムストラは、ペインティングの制作にも力を注いでいる。レムストラは、2015年にスペイン・ソモでの滞在制作をひとつの契機として、ドローイングで追求してきたその探求を、色彩豊かなペインティングへと展開してきた。この新たな肖像画のシリーズを本格的に展示するのは、今回が初めてとなります。これらの作品は、オランダの伝統的な油彩技法と、楮(こうぞ)の繊維から作られる韓国の伝統的な手漉き紙「韓紙(ハンジ)」を融合させるなど、アーティスト本人が歩んできた文化的な軌跡を素材の選択にも、色濃く反映させている。

本展「Good Looking」では、20点の新作ドローイングと6点の新作ペインティングを展示し、現在進行中のシリーズ《Personnage Fictionnel》の新章を提示する。

「私は肖像画を、特定の個人を描くものというより、何かを呼び起こすための枠組みとして捉えています。じっくりと見ることで、それは創作物でありながらも、その中に人間的な何かを見出すためのきっかけになります。
私の肖像は、具象と抽象のあいだを行き来し、現実世界から拾い上げた特徴と、構築された要素が混ざりあっています。形式的な緻密さと歪みのバランスによって、見覚えがありつつも、どこか奇妙な存在として立ち現れます。はっきりと固定された人物像を示すことなく、形そのものが内なる生命を感じさせ、鑑賞者の認識を誘います。
曖昧なかたちの中に顔や人格を見出そうとする人間の衝動に依拠しつつ、これらの作品は、目に映るものに意味を投影せずにはいられない私たちの傾向に働きかけます。こうして「見ること」は、単なる観察から、出会いへと移行していくのです」
—レイモンド・レムストラ

本展は、レムストラが長年に渡って探求してきたポートレイト・ドローイングの集大成であり、また新たな絵画への挑戦の発表の場でもある。本展の開催に合わせ、レムストラ初となる作品集『Personnage Fictionnel』を、当社NANZUKA Publishingより出版。特別版には本作品集のために制作された限定プリントが付属。


【開催概要】

タイトル:Good Looking

会期:2026年3月7日(土) 〜 4月4日(土)

会場:NANZUKA UNDERGROUND(東京都渋谷区神宮前 3-30-10)

時間:11:00 – 19:00

休業:日曜、月曜休業