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日本画とアニメーションのボーダーを超える ー 鈴木博雄「鈴ヶ嶽部屋」展が12月3日より開催

2025.12.02

米原康正がキュレーションするフラッグシップギャラリー「阪急メンズ東京7階 +DA.YO.NE.GALLERY 」にて、2025年12月3日(水)より鈴木博雄による個展 「鈴ヶ嶽部屋」が開催される。

■アーティストステートメント
文化財の保存修復の学びから、作品は日本の古典絵画様式をポップに描く作品を主体とし、伝統の継承と新たな価値の創出を試みる作品を制作しています。
本展は、猫を中心とした遊び心を感じさせる作品を多く出品いたします。ぜひ会場でご覧ください。
——鈴木博雄

■キュレーターコメント
鈴木博雄は、日本画の伝統とアニメーション文化を、まるで呼吸を合わせるようにひとつの画面へと溶かし込む稀有な作家だ。
修復の現場で古典技法を学び、線や色、モチーフの扱いに宿る「日本画の身体感覚」を自らの礎にしながら、同時に彼はスター・ウォーズやジブリ、ディズニー、さらにはアニメソングやボーカロイドまで自身が関心の対象としてきた“動く世界”の感性を絵画へと持ち帰ってくる。
本展「鈴ヶ嶽部屋」で描かれるのは、静止画でありながら、どこか動き出しそうな世界だ。筆致や構図には古典絵巻の流れが宿る一方で、キャラクターの存在感や色彩の躍動は、アニメーションのリズムを思わせる。
止まっているのに動いている。伝統なのに新しい。
その矛盾のあいだに、鈴木は絵画としての今を探り続けている。
日本画史の中には、実はユーモアが脈々と流れている。鈴木はそこに早くから気づき、鳥獣戯画から北斎、国芳、暁斎へと続く「笑いの系譜」を現代に接続してきた。だが単に可愛さや楽しさに寄せるのではなく、アニメ文化が持つ親しみやすさと、日本画が持つ奥行きのある時間を併置することで、「伝統とは何か」「継承とはどのように生成されるのか」という問いを自然と立ち上げる。
「かわいい」とは私たちは何を考えこの言葉を発するのか?。
見つめ続けるほど、その奥にある歴史の厚みと、画面の密度に宿る問いがじわりと立ち上がってくる。
絵画は静かだが、感覚はずっと動き続ける――それが、鈴木博雄の作品の力だ。
日本画とアニメーション。その二つを隔てる線を軽やかに飛び越えながら、新しい“絵の生態系”をつくろうとしている。
「鈴ヶ嶽部屋」は、その挑戦がもっとも鮮やかに見える場となるだろう。
——Curator 米原康正

 

【開催概要】

タイトル:鈴木博雄 solo exhibition “鈴ヶ嶽部屋

会期:2025年12月3日(水) 〜 2026年1月6日(火)

会場:阪急メンズ東京 7階 +DA.YO.NE.GALLERY(東京都東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7階)

時間:平日12:00 〜 20:00 土日祝11:00 〜 20:00

■RECEPTION126()17:00〜  20:00