国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の見どころをエリア別に紹介!
2024.10.01
森の中でアートと出会う。国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開幕。今回初開催となる本国際芸術祭は、岡山県北部の12の市町村(展示は津山市、新見市、真庭市、鏡野町、奈義町のエリア)が参加。秋が深まる11月24日まで開催する。
アートディレクターはキュレーター、美術評論家、金沢21世紀美術館館長の⻑谷川祐子氏が務め、現代アーティストや写真家、音楽家、ダンサー、建築家、華道家、デザイナー、染色家、工芸家、映像作家といった多彩なジャンルの豪華アーティスト12各国43名が集結する。
魅力的な地域資源を数多く有するこの地で森をテーマに、行ったことのない場所や思いがけない場所でアートと出会う驚きと、魔術にかかるときめきを体験できる。道中の風景や自然そのものがキャンバスになりアートが融合してを五感を刺激する。
本記事では、エリア別にアーティストを紹介。
<奈義/奈義町現代美術館周辺エリア>
作品と建物が半永久的に一体化した世界で初めての体感型美術館を有し、全国トップクラスの合計特殊出生率を誇る「奇跡の町」。
300平米の広さの柱のない構造のゲートボール場に、300本以上の人工木を天井に吊るし、吊り橋の下の鏡から木々を映し反転させることで、浮遊感に包まれる空間が広がる。
サンドラ・シント | Sandra Cinto
AKI INOMATA
磯崎 新 | Arata Isozaki
坂本龍一+高谷史郎 | Ryuichi Sakamoto + Shiro Takatani
<津山/グリーンヒルズ津山エリア>
広大な敷地内にカフェや遊歩道、フラワーガーデンなどが点在する地域の憩いの場。
リサイクル繊維で作られた、かぎ針編み網が竹支柱に吊り下げられ天蓋のように設置された《スラッグバグ》は「私の身体 と あなたの身体」というテーマで、裸足で作品の中に入り広い空と芝生の上で瞑想的なエネルギーの接続を体験できる。
<津山/津山城周辺エリア>
自然環境や文化等の資本が交錯し、江戸時代から近代への歴史をたどる場所。
ビアンカ・ボンディ | Bianca Bondi
江見正暢 | Masanobu Emi
ルシーラ・グラディン | Lucila Gradin
ウメッシュ・P・K | Umesh P K
川島秀明 | Hideaki Kawashima
難波香久三 | Kakuzo Namba
スミッタ・G・S | Smitha G S
ムハンナド・ショノ | Muhannad Shono
染谷悠子 | Yuko Someya
1920年に建設された旧中国銀行津山東海支店で、いまは県指定文化財となる象徴的な建築の中に作品を展示。
木材の構造とテキスタイルを掛け合わせた立体作品《Una strada lunga(Long Road)》(1979) 。日本で今回初めての展示となる。モダニズムの幾何学的抽象表現が、織の技法で柔らかで繊細な糸とコントラストの配色美を鑑賞できる。
光を反射しながら漂うビーズを写した《beads》(2012/2023)の映像インスタレーションや、津山市で150年以上続く写真館に保存されていた9.5ミリフィルムを使用した新作映像などを展示。
タレク・アトゥイ| Tarek Atoui (現在製作中)
片桐功敦 | Atsunobu Katagiri
八木夕菜 | Yuna Yagi
旧津山扇形機関車庫として車両、転車台、蒸気機関車の動輪など展示し現存している、鉄道好きにはたまらない場所。
高さ8メートルの壮大な旧津山円形扇形機関車庫空間の計2,188枚の窓に回折格子フィルムを使用し、自然光入り込み虹の光に変換された光のスペクトルを生み出すインスタレーション。西日が差し込む時間を狙っていくのがおすすめ。
近世池泉廻遊式の大名庭園で、県の名勝に指定されている。
加藤 萌 | Moe Kato
甲田千晴 | Chiharu Koda
森 夕香 | Yuka Mori
太田三郎 | Saburo Ota
リクリット・ティラヴァニ|Rirkrit Tiravanija
衆楽園でのリクリット・ティラヴァニの作品は、地元の工芸と食に注目し、真庭市の染色家・加納容子との暖簾制作のコラボレーションやCACASHIIの平山シェフと地元スーパーマルイと共同制作した、地産食財を使った弁当も開発。(予約完売)
ジャコモ・ザガネッリ | Giacomo Zaganelli
<鏡野/奥津エリア>
透明度が高い美しい水が流れ、秋は紅葉の絶景が広がり、素晴らしい渓谷美を眺めることができるエリア。
鏡野町の天然記念物「ヤマセミ」をモチーフにした高さ6.5メートルの大型彫刻作品が、パブリックアートとして常設される。中に植えたコブシの木が木の成長し自然と一体化する作品。
中国山地を背景とした豊かな自然環境恵まれた、吉野川沿いの奥津渓は秋は紅葉の季節で絶景が広がる。
川の岩場からトレースされた鏡のオブジェの前に立ち写しだされた世界の中から、聞こえてくる音に自然の調和を体験できるサウンドインスタレーション。
<真庭/蒜山エリア>
観光文化発信拠点施設「GREENable HIRUZEN」を有し、サスティナブルの価値を体感できるエリア。
東 勝吉 | Katsukichi Higashi
東山詩織 | Shiori Higashiyama
川内倫子 | Rinko Kawauchi
上田義彦 | Yoshihiko Ueda
父親が真庭市旧勝山出身で、市の観光大使である、妹島和世(Kazuyo Sejima)が、「動物のような、生き物のような椅子を作り、人間と一緒になってその場を楽しんでいるような空間をつくりたい」と地元の木材により作られた歩く動物のような椅子を制作し、江戸時代かからの街道とのれんが揺れる風景が溶け込む。
<新見/満奇洞・井倉洞エリア>
悠久の時を経て生み出された自然の造形美が広がるエリア。
蜷川実花 with EiM
《深淵に宿る、彼岸の夢》(2024)
鍾乳洞の奥に位置する数百本の彼岸花が織りなす赤い空間に飲み込まれる。
【開催概要】
タイトル:「森の芸術祭 晴れの国・岡山」
会期:2024 年 9月28日(土)~11月24日(日)
開催エリア:岡山県内の12市町村
(津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町)
作品展示エリア:
津山 | 津山城周辺エリア、グリーンヒルズ津山エリア
奈義 | 奈義町現代美術館周辺エリア
新見 | 満奇洞・井倉洞エリア
真庭 | 蒜山エリア
鏡野 | 奥津エリア
アートディレクター:長谷川祐子(キュレーター、美術評論家、金沢21世紀美術館館長)
主催:「森の芸術祭 晴れの国・岡山」実行委員会
参加アーティスト国外:18名/国内:25名(岡山:6名) 12ヵ国 42組 43名
国外アーティスト/順不同
キムスージャ/ビアンカ・ボンディ/ルシーラ・グラディン/ウメッシュ・P・K/スミッタG・S/ムハンナド・ショノ/ソフィア・クレスポ/ジャコモ・ザガネッリ/アシム・ワキフ/リクリット・ティラヴァニ/パオラ・ベザーナ/タレク・アトゥイ/エルネスト・ネト/サンドラ・シント/レアンドロ・エルリッヒ
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