未完の存在としての我々の姿をあらわに。山中雪乃の個展「POSE」が12月2日よりディーゼル・アート・ギャラリーにて開催
2023.11.22
アーティスト・山中雪乃(ヤマナカユキノ)による個展「POSE」が日本橋馬喰町のギャラリー・CON_のキュレーションにより、2023年12月2日(土)から2024年1月16日(火)まで、DIESEL ART GALLERY(ディーゼル・アート・ギャラリー)にて開催。
山中雪乃は、これまで人間の物質としての輪郭と現象としての状態の双方に注目し、そのあわいに蠢く不定形で非人間的な存在を描いてきた。初期より一貫して人物をモチーフとし、そのスタイルは具象的な描画からランダムなストロークを用いた抽象的な描画へと変化している。白飛びのような情報を欠いた空白、身体の隙間にだらりと流れる液体、セルフィーやアーティスト写真を思わせるエゴイスティックな表情やポーズ。それらが画面全体へ溶け込むように描かれることで、「私」から「何か」への変異のプロセスそのものを捉え、これまでの人間像から脱しつつある未完の存在としてのわれわれの姿をあらわにしている。
本展のタイトル「POSE」とは、絵画や彫刻で象られるモデルの姿勢のほかに、見せかけの態度、うわべだけがあるといった状態を意味する言葉でもある。うわ言のようなポスト、大量に生成されたイメージにまみれて繰り広げられる現代の狂宴の席につくわれわれは、何が本物か見せかけかを判断できないまま、人間の欲動と機械のアルゴリズムに突き動かされ、定まらないポーズを繰り返している。こうした状況で生まれつつある得体の知れない何か、感知の外にある不可視の存在が示しているのは、人間性の退廃か、それとも、新たな事態の予兆だろうか。本展では、新作の絵画作品12点と初の立体作品を通じて、現代における絵画と空間の関係を問い、失われつつある絵画の実在性、そこに宿る他者の存在に接近する。人間性が問われるいま、絵画という存在に何を求め、感じ取るのか、ぜひ本展で確かめていただきたい。
本展覧会では新作の展示・販売をはじめ展覧会のために作られた限定グッズや、DIESELとコラボレーションによるプロダクトも販売する。
【プロフィール】
山中雪乃
制作過程で生じる物理~情報空間での視点移動により、描かれたイメージがモチーフの持つ質感と離れた瞬間の、そのものが持つ本来の姿を想像させる絵画を制作している。
1999年 長野県生まれ
2021年 京都芸術大学 美術工芸学科油画コース 卒業
2023年 京都芸術大学大学院 美術工芸領域 油画領域 修了
https://www.instagram.com/yukino_yamanaka
【開催概要】
タイトル: POSE
会期:2023年12月2日(土)- 2024年1月16日(火)
会場:DIESEL ART GALLERY (東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti DIESEL SHIBUYA B1F )
TEL:03-6427-5955
開館時間:11:30-20:00 (変更になる場合がございます)
入場料: 無料
キュレーター: CON_ (Web | instagram)
Web: https://www.diesel.co.jp/ja/art-gallery/yukino_yamanaka