清澄白河のアンドーギャラリーにて明日9月11日より「中沢研展」が開催
2018.09.10
四角 2018 Steel
9月11日より、「中沢研展」がアンドーギャラリーで開催される。本展で中沢は「四角」と題された新作インスタレーションを発表。「柵」のイメージから着想を得たという本作は、直径3mmの鉄材のみという最小限の素材で構成されている。床と平行に200×40cmの長方形の枠が上下2段あり、それを支えるようにして高さ65cmほどの鉄棒約20本を垂直に溶接したものがオブジェの基本の形となっている。これとほぼ同型のオブジェが計21体、ゆるやかに列をなして空間に配置されており、少し離れたところから作品を眺めると、個々のオブジェが互いに関連しながら全体を形作り、線で描かれた一つの絵画のようにも見える。
昨年刊行された中沢の作品集『Ken NAKAZAWA』のなかで、星野太氏は次のように述べている。
「中沢の作品において重要なのは、単純な線や面を構成する形態が、時に意味を付与された形象として現れたり、時にただの物体として知覚されたりする、その絶え間ない交替の運動そのものである。中沢の作品は、そうしたわれわれの認知作用そのものを批判にかけるのだ。《4列》をはじめとする中沢研の近作は、その作品を注意深く見る者のうちに、以上のような経験を惹起する。ただし、その引き金となっているのは、算術的な規則への傾倒でもなければ、物質的な現前への信仰でもない。そこで生じている形態の明滅は、この美術作家の紛れもない「理性」の産物である。」
【プロフィール】中沢 研/ナカザワ ケン
1970年東京都生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。主な展覧会に「MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム」(東京都現代美術館)、「横浜トリエンナーレ2001」(パシフィコ横浜)などがある。針金やテグスなど視覚的ヴォリュームが希薄な素材を用い、展示空間に呼応したインスタレーションを制作する作家として国内外で高い評価を得ている。
【開催概要】
タイトル:中沢研展
会期:2018年9月11日(火)~11月24日(土)11:00~19:00 ※日・月・祝日休
会場:アンドーギャラリー(東京都江東区平野3-3-6)
【オープニングレセプション】
日時:9月11日(火)18:00~20:00