【終了】伝説の絵師、佐伯俊男の過去最大規模の展覧会がNANZUKAで開催
2017.12.13
Copyright by Toshio Saeki
Courtesy of NANZUKA
伝説の絵師、佐伯俊男のオリジナル作品をまとめた過去最大規模の展覧会がNANZUKAで開催される。
佐伯の作品が持つブラックユーモアとエロスの世界観は、あらゆる性的タブーを露にすることで、私たちの内面をえぐる刺激的な仕掛けに満ちあふれている。その作品が、必ずしも好色的な視線に偏って描かれているわけではない事は、内在する様々なカタチの愛と欲望を素材に紡ぎあげられた高い文学性によって明らかである。また、佐伯の作品を芸術たらしめている素朴と計算の絶妙の境界を捉える”線”によって、その説得力が何倍にも増幅していることに気付かされる。
本展では、70年代から80年にかけて佐伯が描いたオリジナル作品を中心に、新作も発表する予定。また彩色を加えた巨大な壁画にも挑戦する。
【プロフィール】
佐伯俊男は1945年宮崎県生まれ。幼少期を大阪で過ごし、1969年に上京。エロス、ユーモア、ホラーを織り交ぜた独特の作品が、寺山修司、澁澤龍彦らの賞賛を呼び、1970年に平凡パンチにてデビュー。同年に処女作品集『佐伯俊男画集』(アグレマン社)を発表。その原画展をパリで開催するも、展覧会終了後に全作品が盗難に遭う。また、1972年にはジョンレノンとオノヨーコのアルバム「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」に使用されるなど、瞬く間に、熱狂的に、そして国際的に、その作品は受け入れられた。
現代の春画、妖怪画とも呼べる佐伯の作品は、日本のアンダーグラウンドシーンのイラストレーションという文脈だけに留まらず、近年はイギリス、フランス、イスラエル、アメリカ、カナダ、香港、台湾など世界各国で展覧会が開催され、同時に『Rêve écarlate』(éditions Cornélius)、『夢覘―佐伯俊男画集』(国書刊行会)、『佐伯俊男70』(青林工藝舎)と、作品集の出版も相次ぐなど、日々その評価を高めている。
【開催概要】
タイトル:佐伯俊男 個展「揺月」
会期:2018年1月20日(土)~2月24日(土)火曜〜土曜 11:00~19:00
※月曜・日曜・祝祭日 定休
会場:NANZUKA(東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F)
【オープニングレセプション】
会期:2018年1月20日(土) 18:00〜20:00