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自然と人間の境界を探求するアーティスト、齋藤帆奈の個展「co/evo/lution」が、7月13日より開催

2025.07.01

齋藤帆奈は、自然と人間の境界をテーマに、粘菌の動きや色彩を取り入れた独自の作品で注目を集める現代美術作家、齋藤帆奈による個展「co/evo/lution」が2025年7月13日(日)より開催する。

齋藤帆奈は、アートと科学を横断しながら、現在は東京大学大学院に在籍し、粘菌を培養・観察しつつ、その活動の痕跡を作品化する手法を追求している 。齋藤の表現は、生き物と私たちのつながりを再考させ、自然への新たな視点を提示している 。

本展覧会では、代表作である微生物によって変化し続ける作品「Eaten Colors」をはじめ、ルミネの2025春のコピー、「親切はいつもふたり以上を幸福にする。」から着想を得た言葉とともに展示を構成。さらに、ルミネが不要になったファッションアイテムを買取・回収してリユースやリサイクルを行う資源循環サービス「anewloop」で回収された古着を使用し、新作も制作発表予定だ 。

初日の7月13日(日)13:00からはオープニングを記念し、「WALL_shinjuku」があるルミネ新宿 ルミネ2 2階の同フロア催事スペースにてトークセッションとレセプションも開催し作家が登壇 。
※事前申込制(URL:https://forms.gle/dGtJVn15D24BMNSG7

また、お申込みいただいた方には本展を記念したオリジナルステッカーもプレゼント。

■アーティストステートメント
展示作品は、私が山で採取してきた粘菌に色素の含まれた餌を与えることによって生み出されるパターンを利用しており、人間の作者と粘菌の双方によって成り立ちます。
私は粘菌を生息地から引き離し、人工的な環境に隔離し、餌を与えて増やし、自然環境では決して出会うことのなかったであろう、染料や顔料などのさまざまな物質を与えます。一見すると人間が粘菌を利用しているようですが、粘菌を増やすために日々のケアを行い、湿度を保った環境を維持し、都会の真ん中に運ぶ私という人間は、あたかも赤く美味しそうな実に惹かれてついばみ食べ、フンをすることによって種子を遠くまで運ぶ小鳥のように、粘菌の生息環境を広げることに利用されているのかもしれません。
山の中で出会った粘菌たちは、私という人間を通して、ふだんの自然の中だけではたどり着けなかったような特別な環境を手に入れました。毎日手をかけて育てられ、ふつうは口にしない食用色素や顔料を与えられながら、湿気の保たれたケースの中で、ビルの中でも生きのびていく――そんな人工的な環境の中で、彼らは都市というまったく新しい場所での暮らしを始めています。この世界に棲んでいるモノたち–私たちは、いつもそんなふうにお互いを利用しながらでないと生きていくことができません。幸せも不幸も、常に二種以上を巻き込んでいるのです。
ーー齋藤帆奈

【プロフィール】

齋藤帆奈
1988年生まれ。東京と山梨を拠点に活動。
現代美術作家。多摩美術大学工芸学科ガラスコースを卒業後、metaPhorest (biological/biomedia art platform)に参加し、バイオアート領域での活動を開始。現在は東京大学大学院学際情報学府博士課程に在籍(筧康明研究室)。理化学ガラスの制作技法によるガラス造形や、生物、有機物、画像解析等を用いて作品を制作しつつ、研究も行っている。近年では複数種の野生の粘菌を採取、培養し、研究と制作に用いている。主なテーマは、自然/社会、人間/非人間の区分を再考すること、表現者と表現対象の不可分性
Instagram:https://www.instagram.com/hannasaito/


【開催概要】

タイトル:齋藤帆奈個展「co/evo/lution」

会期:2025年7月13日(日)―2025年10月29日(水)

会場:WALL_shinjuku(ルミネ新宿 ルミネ2‐2F)

時間:11:00-21:00

入場:無料・予約不要

展覧会URL:https://avex.jp/wall/exhibition/620/