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草間彌生作品の中でも数少ない石彫による作品が箱根で公開。屋外展示エリアに新たな景観が誕生

2026.04.27

彫刻の森美術館が、新収蔵作品として、草間彌生《われは南瓜》(2013年)を屋外展示場の一角に修景を含めて展示。4月19日より公開をスタートした。本作品は、「丸の内ストリートギャラリー」にて、 2025年まで展示されていたもの。草間作品の中でも数少ない石彫作品を国内で鑑賞できるのは彫刻の森美術館のみとなる。また、本作品は、彫刻の森美術館としても草間作品は初コレクションとなる。

公開にさきがけて行われた4月18日(土)に関係者に向けて行われた内覧会に出席した建畠晢氏(草間彌生美術館館長/彫刻の森芸術文化財団理事)は、「《われは南瓜》というタイトルには、かぼちゃについて草間さんが以前、「私がかぼちゃよ」と自分をなぞらえたこともあり、自身の象徴でもあると同時に、反戦・平和の願いを託し、愛によって世界を救うという強いメッセージが込められています」とタイトルについて触れた。

収蔵にあたり、カフェに隣接する展示エリアに鮮やかなモザイクタイルを敷設し作品を活かした空間としてリニューアルした。展示エリアおよび本作品を腰掛けて集中して鑑賞することができる新設のベンチエリアのランドスケープデザインは、彫刻の森美術館の「森の足湯」と「丸太広場 キトキ」と同様、トラフ建築設計事務所が手がけた。ランドスケープと一体化するよう、ひっそりと森の中に埋め込まれたベンチエリアは作品を鑑賞しながら落ち着ける空間になっている。

同内覧会にて、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏は、「デザインコンセプトとしては、草間作品と一人で向き合える、囲われた秘密のガーデンのようなイメージです。四季を通じて草木の色彩が移ろい、視線を巡らせるたびに360度それぞれ異なる風景が垣間見える構成を目指しました。また、桜を望むエリアに新たなベンチを設け、木漏れ日の中で静かに佇める空間を演出しました。周囲には、一見すると芝生のようでありながら、実際には苔が広がり、自然により近づく感覚を生み出しています。ランドスケープに溶け込むように設計し、空間全体と一体化することで、訪れる人が静かに自然と対話できる場をつくり出しました。」とコメントした。

本作品収蔵の関連イベントとして、丸太広場 キトキでは草間作品のインスタレーションの展示や、草間のインタビュー動画の公開、ショップコーナーではグッズの販売も実施。東京・丸の内のビルに囲まれた都市空間から、四季折々の自然に包まれた環境へと展示の場を移すことで、作品は新たな表情をまとい、鑑賞体験にも豊かな広がりが生まれている。

草間は、1962年に布等で制作した「ソフト・スカルプチャー(柔らかい彫刻)」をニューヨークで発表して以来、多様な素材による表現を続けてきたが、本作は初めて石で作られた作品である。草間の分身ともいえるこの石の南瓜は、未来永劫に「愛はとこしえ(永遠)」のメッセージを伝え続ける。 2013年に丸の内で行われたインタビューの一部では、「愛は永遠であるということを私たちは叫んで、そして貧しいことそれから辛いこと、それからまた、闘いのものすごさ、そういったものを皆、自分たちは、精神的淘汰して、そしていつかは天国へのぼっていく階段をのぼって、その上でもって私たちは永久に変わることのない、嫋やかな(たおやかな)静かな世界で、ゆっくりと眠って、人生を振り返りたい。それが私の皆さんに対するメッセージ」と語っている。


【関連企画】

■インスタレーション展示
会期:4月19日(日)〜11月1日(日)
会場:丸太広場 キトキ、The Hakone Open-Air Museum Café

隣接するThe Hakone Open-Air Museum Caféならびに丸太広場キトキでは、バルーンで制作された《南瓜》のインスタレーションを期間限定で展示。石彫作品同様、南瓜をモティーフとした赤と白のバルーンを中心に、草間作品の重要なモティーフであるドットが空間を覆う。

■インタビュー動画(日・英)
作品完成時の本人インタビュー(2013年収録)

2013年制作当時のインタビュー動画を公開。初めての石彫の作品に込めた思い、野外彫刻展示を通して「自然とアート」について語る貴重な映像だ。草間彌生イズムへの制作への思い、また作品を見てくださる方へのメッセージなど「草間彌生」という唯一無二の存在が考える創作の世界を垣間見る事のできる内容だ。

 

【プロフィール】 

草間彌生
前衛芸術家、小説家、詩人。 1929年、長野県松本市生まれ。幼少期より水玉や網目をモチーフとした作品を制作する。1957年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動。ネット・ペインティング、ソフト・スカルプチャー、鏡や電飾を用いた革新的なインスタレーションを発表し、国際的な評価を確立する。さらにボディ・ペインティングやハプニング、ファッション・ショー、映画制作など、多岐にわたる表現活動を欧米で展開した。 1973年に帰国後は東京を拠点とし、美術制作に加え詩や小説執筆など文筆活動にも取り組む。野外彫刻や企業とのコラボレーション、ドキュメンタリー映像の制作などを通じ、自身の芸術理念を幅広く発信。現在も精力的に創作を続けている。 これまでニューヨーク近代美術館やテート・モダンをはじめ、国内外の主要美術館において回顧展を開催。2026年現在も大規模個展「Yayoi Kusama」がヨーロッパ3カ国を巡回中。 2017年、東京・新宿区に草間彌生美術館開館。一貫して「自然」「愛」「生と死」、そして無限を主題に、圧倒的な創作活動を続けている。


【作品概要】

作家名:草間彌生(日)/Yayoi Kusama (英)
作品名:われは南瓜(日)/ I Am a Pumpkin (英)
制作年:2013年
素材:花崗岩(日)/Granite(英)


【エリア概要】

オープン日時:2026年4月19日(日)
台座・モザイクタイル:草間彌生
ランドスケープデザイン:トラフ建築設計事務所
植栽デザイン:Sa Tree


【関連イベント】

・インスタレーション展示
会期:4月19日(日)〜11月1日(日)
会場:丸太広場 キトキ、The Hakone Open-Air Museum Café
・2013年作品完成時の本人インタビュー動画
・グッズの販売

【施設概要】

施設名:彫刻の森美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121

開館時間:9:00 〜 17:00

Tel:0460-82-1161 Fax:0460-82-1169