人体と機械の美を追求し続けるアーティスト 空山基の新作個展がNANZUKAのギャラリー2箇所にて同時開催
2020.02.20
©Hajime Sorayama
Photo by Shigeru Tanaka
Courtesy of NANZUKA
空山基の新作個展「Sex Matter」と「Trex」が渋谷区内のNANZUKAギャラリー2箇所にて同時開催される。
空山基は人体と機械の美を追求した作品で国内外で伝説的な存在となっているアーティスト。その名を世に知らしめた作品「セクシーロボット」シリーズ(1978年~)では、女性の人体美をロボットに取り込んだ表現でその後のロボットのイメージ形成に大きな影響を与えた。1999年にはソニーが開発したエンターテイメントロボット「AIBO」のコンセプトデザイン、2001年には世界的ロックバンド エアロスミスの「Just Push Play」(2001)のアルバムカバーを手掛け、昨年もキム・ジョーンズと手がけたDior Hommeとのコラボレーションで大きな話題となった。近年、空山の作品は「Unorthodox」(The Jewish Museum, New York, 2015)、「Desire」(by Larry Gagosian and Jeffrey Deitch, Moore building, Miami, 2016)、「The Universe and Art」(森美術館, 東京, 2016、Art Science Museum, Singapore, 2017)、「Cool Japan」(Tropenmuseum, Amsterdam, 2018)、「Tokyo Pop Underground」(Jeffery Deitch, NY/LA, 2019-2020)といった展覧会で広く世界中で発表されている。
空山は、1970年代初め頃よりその驚異的な写実力を武器に、ピンナップのイラストレーターとしてキャリアを築いてきた。空山は人物、動物、恐竜などあらゆるロボットを描くことで有名だが、フェティッシュな女性のヌード像を描いてきたことによりその美術的な評価は二分されている。しかし、女性のヌードを描くことはアートの歴史にとっては特別なことではない。 現在に至る美術史を顧みて、空山が描く人間の身体の美しさ、人間の本質的な好奇心、欲望=生へのエネルギーといったテーマは、むしろ本流と言える。
NANZUKAにおける個展「Sex Matter」において、空山はこうした性のテーマをモチーフにしたロボットの作品にチャレンジした。一見すると奇妙な図式ではあるが、世の中に男と女がいる事によって生命が誕生するという事実を、こうした作品で強く明示している。また、身体改造、ポストヒューマンボディ、AIといったテーマの先の未来における新たな問題提起を暗示しているとも読み取れる。本展では、新作のヒューマンスケールサイズの新作彫刻作品の他、新作のペインティングを10点程度発表する予定。
また、渋谷パルコ内のNANZUKA 2Gにおける個展「Trex」では、昨年10月にタイのバンコクで先行発表した新作の鋳物製の彫刻作品を5点、ティラノサウルスの他、ステゴサウルス、ラプトルなどを描いた新作恐竜ロボットシリーズのペインティング作品を発表する。
【開催概要】
タイトル:空山基「SEX MATTER」
会期:2020年3月14日(土)~4月12日(日) ※定休日:月・祝
会場:NANZUKA(東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビル B2F)
タイトル:空山基「TREX」
会期:2020年3月14日(土)~4月12日(日)
会場:NANZUKA 2G(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 2階)