色彩で叫ぶ! ニューヨークを拠点に世界を魅了する 現代アーティスト、松山智一の個展が3月8日より開催
2025.02.17
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ニューヨークを拠点にグローバルな活躍を見せるアーティスト松山智一の個展が、麻布台ヒルズ ギャラリーで開催する。四半世紀にわたって現代アートの本場ニューヨークで活動し、いまや世界が注目する次世代のアーティストのひとりとなった松山の日本初公開となる大規模作品15点を含む、約40点が展示される、東京で初となる大規模個展となる。
さらにこの機会に、展覧会タイトルにもなる、新シリーズ「First Last」を発表する。松山の特異なアイデンティティを通して捉えたグローバルな現代社会のリアリティを、迫力ある色彩と壮大なスケールの絵画で体感できる展覧会だ。
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松山智一《We Met Thru Match.com》 2016 H254 x W610cm Acrylic and mixed media on canvas
■新シリーズ「First Last」 (後の者が先になり、先の者が後になる)
英語で「最初で最後」を意味する本シリーズは、松山智一のキャリアにおいて、ようやく到達した東京での大規模個展開催までの長くとも短いような道のりを反映している。同時に、絶えない課題によって均衡が保たれるパラドキシカルな現代社会に向けた、松山からの謎めいたメッセージ、「後の者が先になり、先の者が後になる」でもある。岐阜の飛騨高山で生まれ、クリスチャンの両親の元で幼い頃からキリスト教を身近に育ってきた松山は、少年期のアメリカでの生活を経て帰国子女として青年期を過ごし、そしてニューヨークでアーティストとして活動を始めてからも常にマイノリティであり続けた。二極化が進む政治が引き起こす分断、格差や対立、ジェンダー平等のパラドクス、情報操作やフェイクニュースなど、混沌とした現代社会において松山は常に問いを立て続けている。はたして我々は何によって報われるのか? 本シリーズでは松山が、アメリカ社会が抱える諸問題を起点に、自身の特異な背景がもたらす独自の視点を通して世界を捉えなおし、芸術によって新たな共感を創り出す。
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松山智一《Catharsis Metanoia》 2024 H279 x W384cm Acrylic and mixed media on canvas
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松山智一《Passage Immortalitas》 2024 H267 x W470 cm Acrylic and mixed media on canvas
■アーティストステートメント
多様な文化が交錯するニューヨークで20年以上活動し、日本とアメリカというルーツを持つ自身にとって東京での展覧会は大きな意味を持ちます。国や言語、文化や世代を超えていま同じ時代を生きる私たちだからこそ感じることがあると思っています。作品世界に足を踏み入れ、鑑賞者としてだけでなく、作品への参加者、対話者として体験してもらえればと思います。
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Photo : FUMIHIKO SUGINO
【プロフィール】
松山智一
現代美術家。1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。バワリーミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/米国、2019年)や、《花尾》(新宿東口駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけている。近年の主な展覧会に、「Mythologiques」(ヴェネツィア/2024年)、「松山智一展:雪月花のとき」(弘前れんが倉庫美術館/2023年)「MATSUYAMA Tomokazu: Fictional Landscape」(上海宝龍美術館/2023年)がある。2025年2月までパリのルイ・ヴィトン財団でも作品を発表している。
【開催概要】
タイトル:松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP
会期:2025年3月8日(土) ~ 5月11日(日) 会期中無休(予定)
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
時間:月・火・水・木・日 10:00~18:00(最終入館17:30)/ 金・土・祝前日 10:00~19:00(最終入館18:30)