NEWS

HOME > NEWS > キース・ヘリング最期の作品を初公開。「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展が中村キース・ヘリング美術館で開催

キース・ヘリング最期の作品を初公開。「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展が中村キース・ヘリング美術館で開催

2018.02.05

2018 年2 月9日より中村キース・ヘリング美術館で、「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展が開催される。

1987年、20歳でキース・ヘリングは故郷ペンシルバニア州からニューヨークへ渡った。当時のニューヨークは不況下で暴力や差別が蔓延する反面、ヒップホップやグラフィティなどのストリート・カルチャーが創り出される源泉に溢れていた。その街でカウンターカルチャーに大きな影響を受けたヘリングは、激動するニューヨークで、そして世界中の都市を駆け巡りながら、アートを通し様々なメッセージを生涯発信し続けた。

ヘリングが社会とのコミュニケーションとしてまず初めに着目したのがニューヨークの地下鉄でのサブウェイドローイング制作だった。誰もが使う地下鉄構内の看板は絶好のパブリック・スペース。黒い紙が貼られた空き看板に白いチョークで素早く描き上げるグラフィティにはウィットに富んだメッセージがダイレクトに表現された。その後はポスター・アートにも着目し核放棄や、反アパルトヘイト、エイズ予防、LGBTの認知など社会的な問題にも取り組んだ。社会における階級や地位、性別や人種、宗教や文化の違いに関係なく誰もが触れることのできるアートを追求したヘリングの作品は、テロや戦争の耐えない現代社会へ時代を超えてパワフルなメッセージを投げかけ続けている。

本展では、新しく収蔵作品に加わる1990 年の作品《オルターピース:キリストの生涯》を初公開する。これは1990年2月16日31歳でエイズにより亡くなる数週間前に完成した最後の作品だ。教会の祭壇のためのオルターピースとして現在世界の教会や美術館9箇所に収蔵されているが、ヘリングの追悼式が行われたニューヨークのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂に今も飾られている。死を目前にしたヘリングの平和への願いと希望、そして生命の力が刻まれた永遠の作品だ。

【開催概要】

タイトル:「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」

会期:2018年2月9日(金)~11月11日(日)9:00~17:00

会場:中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市小淵沢町10249-7)

入館料:一般1,000円、シニア900円、学生700円、13~18歳500円

詳細はこちら

【同時開催】

「ワードプレイ|ワセニ・ウォルケ・コスロフー言の葉の戯れ ーエチオピアのアーティスト ワセニの世界」

会期:2017年11月23日(木・祝)~2018年4月15日(日)

【学芸員によるギャラリーツアー】

日程:毎週日曜日 14:00~(40 分程度)