田名網敬一の60年以上に渡る活動の集大成である大規模回顧展が、8月7日より国立新美術館でスタート!
2024.07.24
国際的に高い評価を得る日本人アーティスト、田名網敬一 (1936‐) の初となる大規模回顧展が、8月7日より国立新美術館にて開催。 幼少期に経験した戦争の記憶とその後に触れたアメリカ大衆文化からの影響が色濃く反映 された、色彩鮮やかな作品で知られている田名網。本展では当時の資料を含めて田名網が手掛けた膨大な作品を紹介することで、これまで包括的に捉えられることがなかった、その60 年以上におよぶ活動を「記憶」というテーマのもとに改めて紐解く。
武蔵野美術大学デザイン科に入学後、1957 年に日本宣伝美術会主催の日宣美展で特選を受賞。在学中からデザイナーとして仕事を依頼されるようになり、卒業後は博報堂に入社。2年ほどで退職した後は画廊での展示に固執せず、1966 年にはアーティストとしての出発点ともいえる作品集『田名網敬一の肖像』を出版。1960 年代後半からは音楽や映画、文芸に係る多くの雑誌のエディトリアルデザインを行い、 1975 年には日本版『PLAYBOY』の初代アートディレクターに就任。この頃、並行して実験映像の制作も開始。1980 年代は中国への旅行と、1981年に経験した約4か月にわたる入院中に見た幻覚をきっかけにして、東洋的な楽園や奇想の迷宮を思わせるようなイメージを描くようになる。2000 年頃からはこれまで田名網自身の作品に現れていた様々なモチーフが再び組み合わされることで、より複雑でダイナミックなイメージが展開されていくようになる。
88歳となった今も旺盛な創作活動を続ける田名網の存在は、世代や国を超えたアーティスト、そ してデザイナーたちを魅了し続けており、コラボレーションを求める声は後を絶ちません。これは60 年以上にわたる活動のなかで、田名網自身が常に自らの表現方法を刷新し続けてきた稀有な感性を持ったアーティストであるからだといえるだろう。
本展は多方面から注目が集まる田名網が現在まで探究を続けている、虚実が入り混じった記憶のコラージュのような作品世界を存分に体感できる待望の機会となるだろう。
【プロフィール】
田名網敬一
1936 年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、実験映像及びアニメーション作家、 アーティストなど、そのジャンルを横断した類まれな創作活動により、他の追随を許さない地位を築い ている。近年の田名網の主要な展覧会として、「パラヴェンティ: 田名網 敬一」(プラダ青山店、東 京、2023 年)、「マンハッタン・ユニヴァース」(ヴィーナス・オーヴァー・マンハッタン、ニューヨーク、 2022 年)、「世界を映す鏡」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2022 年)、「Keiichi Tanaami」(ルツェル ン美術館、スイス、2019 年)「、Keiichi Tanaami」(ジェフリー・ダイチ、ニューヨーク、2019 年)。また、 グループ展としてポップアートの大回顧展「インターナショナル・ポップ」(ウォーカー・アート・センター、 ダラス美術館、フィラデルフィア美術館、アメリカ、2015-2016 年)、「世界はポップになる(」テート・モ ダン、ロンドン、2015 年)などがある。パブリックコレクションに、ニューヨーク近代美術館(アメリカ)、 ウォーカー・アート・センター(アメリカ)、シカゴ美術館(アメリカ)、M+(香港)、ナショナル・ポートレー ト・ギャラリー(アメリカ)、ハンブルガー・バーンホフ(ドイツ)など多数。
【開催概要】
展覧会名:田名網敬一 記憶の冒険
会期:2024 年8月7日(水)~ 11 月 11 日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室 1E
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00 ~ 18:00 ※毎週金・土曜日は 20:00 まで ※入場は閉館の30 分前まで
オフィシャルサイト:https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/index.html