神宮前にオープンしたNANZUKA新ギャラリーでHaroshi個展「I versus I」開催
2021.06.14
MoshiPit
©Haroshi
Courtesy of NANZUKA
2021年5月に渋谷神宮前に新ギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」をオープンしたNANZUKAが、7月10日(土)よりアーティストHaroshiによる個展「I versus I」を開催する。当個展は、2017年「GUZO」、昨年の夏にNANZUKA 2Gと3110NZ by LDH Kitchenにて同時開催をした「FREE HYDRANT CO」、「1:1」 に続く新作による個展となる。
Haroshi は、2003年より独学で習得した技法を駆使し、スケートボードデッキの廃材を使った彫刻作品、インスタレーションを制作している。故キース・ハフナゲルのストリートブランドHUFとのコラボレーションや、BATBのトロフィーなどを通じて、現代のストリートカルチャーの深層を体現する数少ないアーティストの一人として、絶大な支持を集めている。2018年には、Art Basel Miami BeachのNOVAセクションにおける個展、2019年から2020にかけてJeffrey DeitchのNYとLAを巡回した「Tokyo Pop Underground」にて、この展覧会を象徴する5m四方の大作のインスタレーションを発表し、大きな話題となった。
本展「I verus I」は、「己との戦い」をテーマにした渾身の新作を集めた個展となる。今回展示される作品は、大きく分けて3つのシリーズから構成される。使い終わったスケートデッキを刻んで平らに並べ直し、スケーター1人1人の個人史とスケートボードカルチャーの総体を絵画として構成したモザイク平面作品「Mosh Pit」、スケートボードとそのカルチャーを愛するものへの守り神としての彫像作品「GUZO」シリーズ、また古いプラスティックビニール製のアクションフィギアを修復改造し、新たな命を吹き込んで生まれ変わらせたモノへの愛情を象徴するソフビ作品のシリーズだ。パンデミックによって、さまざまな制限を強いられることになった私たちの生活や社会構造の変化を目の当たりにしながら、Haroshiはスタジオにこもり、まるで修行僧のように、ただ黙々とここに並ぶ作品たちを製作し続けてきた。
Haroshiは、本展に寄せて自らの作品について次のように解説している。
「Mosh Pitは、役目を終えたスケートボードの傷ついた美しい姿にフォーカスした作品です。スケートボードのグラフィックは、スケーターの繰り出すトリックによって各々の形に傷ついて(ペインティングされて)、その美しさは完成形に向かい、と同時に、終局にも向かっていきます。まるでMosh Pitのようにスケーターのぶつかり合うようなパッションを、その結晶でもあるスケートボードによってそのまま作品に閉じ込めたのです。GUZOはスケーターを支えてきたスケートボード自体の自己犠牲の精神を尊いものとし、それを神格化した神像です。スケートボードの傷ついていく様は、まるで “ the passion of the skateboard “ といっても良いような、ドラマチックなもので、僕らの代わりに傷ついていくスケートボードを神様として復活させなくてはと思いました。ソフビのシリーズは、子供の頃に僕らの手によって砂場やお風呂場で繰り広げられた激しい死闘の末、傷だらけになり破損したソフビ人形達を、大人になった僕らが今、またコンクリート上で激しい死闘を繰り広げ、深手を負わせたスケートボードによって修復し、傷ついた両者がお互いの足りない部分を補いながら、新たな形に進化していく物語です。」
本展に際し、Haroshiの2003年から現在に至る作品をアーカイブした、全520ページに及ぶカタログもNANZUKAの自費出版で発売される。
【開催概要】
タイトル:Haroshi個展「I versus I」
会期:2021年7月10日(土)~8月8日(日)11:00~19:00 ※休廊日:月曜日
会場:NANZUKA UNDERGROUND(東京都渋谷区神宮前3-30-10)
開廊時間:火曜日~日曜日
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