北斎『冨嶽三十六景』全46図を一挙公開。井内コレクションより寄託作品を初公開
2026.04.06

葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「神奈川沖浪裏」、1830–33(天保1–4)年頃、横大判錦絵、井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)
国立西洋美術館にて、「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」が開催している。葛飾北斎(1760–1849 年)は、その斬新な構図と、自然や人物を生き生きと捉える卓越した表現力によって、日本国内にとどまらず、西洋美術にも大きなインパクトを与えた。 以前に開催した「北斎とジャポニスム」展(2017–18 年)でも紹介されたように、 彼の影響はモネやドガら印象派の画家たちをはじめ、欧米各地に広がり、さらにはバルト海沿岸に位置するリトアニアの代表的画家、M. K. チュルリョーニスの作品にも見られる。
本展は、2024年に井内コレクションより当館に寄託された、北斎の『冨嶽三十六景』 (1830–33 年頃)を初披露する展覧会だ。北斎の代表作である本シリーズ全46図を一挙に公開する。さらに、特に高い人気を誇る「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」については、それぞれ異なる摺りをもう 1 点ずつ併せて紹介する。「神奈川沖浪裏」は、現存する中でも類を見ないほど摺り・保存状態に優れた一枚が加わる。 また、 “赤富士”として知られる 「凱風快晴」 は、極めて希少な色変わり版、通称“青富士”も特別に展示する。これら全 48 点を、モネをはじめとする西洋美術コレクションを誇る国立西洋美術館で鑑賞することができるまたとない機会となる。

葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「凱風快晴」、1830–33(天保1–4)年頃、横大判錦絵、井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)

葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「東海道程ヶ谷」、1830–33(天保1–4)年頃、横大判錦絵、井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)
■本展の見どころ
井内コレクションの『冨嶽三十六景』の特徴は、全般に摺られた時期が早いことにあると言えます。浮世絵版画は摺りが数多く重ねられると、版木が摩滅したり、欠損したりしてしまうことがあります。本コレクションには、細い線がシャープであるものが多く含まれていますが、これは版木が摩滅していないフレッシュな状態で摺られたことを示しています。また、浮世絵版画は、補強のためにしばしば背面に裏打ち紙を貼ることがありますが、本コレクションの多くは裏打ちが施されていません。そのため、背面からも絵具の色の鮮やかさが確認き、摺師が力を込めたバレンの跡も残されています。 このたびの展覧会では、いくつかの作品で表裏両面から見ることのできる展示方法を採用する予定です。江戸時代の人々が浮世絵版画を手に取り、表や裏を返しながら鑑賞した気分を、ぜひ味わっていただければと思います。
樋口一貴(十文字学園女子大学教授、国立西洋美術館客員研究員/本展監修)

葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「凱風快晴(通称“青富士”)」、1830–33(天保1–4)年頃、横大判錦絵、井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)

葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「五百らかん寺さゞゐどう」、1830–33(天保1–4)年頃、横大判錦絵、井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)
【開催概要】
タイトル:北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより
会期:2026年3月28日(土)〜 6 月14日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室 B3F
時間:9:30~17:30(毎週金・土曜日は 20:00 まで)
※入館は閉館の 30 分前まで
休館日:月曜日、5月7日(木)
※ただし、5月4日(月・祝)は開館
観 覧 料 ( 税 込 ):一般 2,200 円、大学生 1,300 円、高校生 1,000 円
※中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1 名)は無料(それぞれ学生証等年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください)。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により本展を学生 1,100 円、教職員 2,000 円でご鑑賞いただけます。
※観覧当日に限り本展の観覧券で同時開催の企画展「チュルリョーニス展内なる星図」、常設展もご覧いただけます。
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026hokusai.html
SNS:
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※本展は企画展「チュルリョーニス展 内なる星図」 (企画展示室 B2F)と同時開催