清澄白河のSatoko Oe Contemporaryで、ウィーン在住のアーティスト 丹羽良徳の個展開催
2019.07.29
清澄白河の「Satoko Oe Contemporary」にて、ウィーン在住のアーティスト 丹羽良徳の個展が7月24日(水)より開催される。前期と後期に分かれ、間に休廊をはさみ9月6日(金)まで。
丹羽良徳の作品は、パフォーマンス、映像、インスタレーション、さらには展覧会期間中に進行するプロジェクトを含むあらゆるメディアを横断した社会介入行為の形式を取る。明示される作品タイトルはスローガン的で自己説明的で、そしてほとんどの場合は非生産的で無意味な行動を公共空間で実現する過程の一部始終を映像記録に収め、明示されたタイトル内容を実行する過程で生まれるさまざまな軋轢をさらすことにより、制度化された公共概念の外縁を描くプロジェクトを国内外で多く実現する。
丹羽良徳は2016年に活動拠点をオーストリアの首都ウィーンに移し、映像メディアが与える社会的な機能の側面に注目してきた。この展覧会は、2020年に迫る東京オリンピックを背景に、丹羽が2017年から2020年のオリンピック直前まで制作し続けるオリンピック開催を巡るフェイクドキュンタリーを中心とした作品群「想像したはずの共同体」の展覧会企画となる。
作品は、戦後64年の東京オリンピックに重ね日本が歩んだ経済成長に重ね経済界からは熱烈に歓迎されたことに立ち戻る。しかしながら、歴史上の国家的危機や福島の災害による放射能汚染、国際化における移民問題などの経験を経て、もはや日本はかつてのような状況ではないことは明らかだ。このプロジェクトは、2020年東京オリンピックを舞台として各国のオリンピック選手、監督へのインタビューや1964年に開催された東京オリンピック当時の記録映像、安倍首相の政治演説などオリンピックをめぐる様々な立場や、時代が異なる言説をつなぎ合わせ、2020年東京オリンピックの全種目において、誰もが実際には起こるとは思えない日本人選手のボイコットという設定の未来のフィクションドキュメンタリー映像となる。映像全体のストーリーと、登場人物の発言内容が相違する状況を創作することによって、我々が予測または欲望している未来像はどのような思想と結びつき、どこから生まれるか、それは自分が希望する未来がそのまま予測する未来像として反映されるものなのかを考えると同時に、我々日本が歩んだ戦後近代史を改めて考え直す。
【開催概要】
タイトル:丹羽良徳個展「想像したはずの共同体」
会期(前期):2019年7月24日(水)〜8月9日(金)
(後期):2019年8月25日(日)〜9月6日(金)
開廊時間:月〜金 12:00~19:00/土・日 12:00~17:00 ※会期中無休
会場:Satoko Oe Contemporary(東京都江東区白河3-18-8 第二杉田ビル1F)
【オープニングレセプション】
日時:7月24日(水)17:00~19:00