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カウンターカルチャーのアイコンであるパティ・スミスと現代音響芸術集団のサウンドウォーク・コレクティヴによるプロジェクトのエキシビションが、4月26日より東京都現代美術館にて開催

2025.04.16

世界的な文化アイコンであり、アーティスト、詩人であるパティ・スミス(Patti Smith)とベルリンを拠点に活動する現代音響芸術集団のサウンドウォーク・コレクテ ィヴ(Soundwalk Collective)による現在進行形の最新プロジェクト「コレスポンデンス (CORRESPONDENCES)」のエキシビションが、4月26日(土)から東京都現代美術館にて開催する。

アーティストのステファン・クラスニアンスキー(Stephan Crasneanscki)とプロデューサーのシモーヌ・ メルリ(Simone Merli)が率いるサウンドウォーク・コレクティヴは、場所や状況に応じたサウンドプロジェクトを制作する現代音響芸術プラットフォームだ。音の具象的かつ精神的な力を通じて物語を立ち上 げ、記憶、時間、愛、喪失といったテーマを探求している。

パティ・スミスは 50 年以上にわたり創作活動を続けるミュージシャン、詩人、画家、パフォーマー。 デビューアルバム『ホーセス』(Horses, 1975)は詩とロックを融合させた革新的な作品として音楽史にその名を刻み、ソニック・ユースのキム・ゴードンや PJ ハーヴェイに霊感を与えるなど、パンクやロックにおける表現の可能性を切り拓いた。1960年代後半からは写真やドローイングの制作を開始し、近年ではインスタレーションを手がけるなど創作活動の幅を広げている。

サウンドウォーク・コレクティヴとパティ・スミスの創造的な共同制作は10年以上にわたって継続し、べネチア・ビエンナーレ (映画部門)や、NYのクリマンズット・ギャラリー、コロンビアのメデジン近代美術館をはじめ、世界各地でライブパフォーマンス、展覧会、上映、詩の朗読会、ワークショップと多岐にわた る形式で両者のコラボレーションによる作品を発表。2022 年にはパリのポンピドゥ・センターで展覧会「エヴィデンス(Evidence)」を開催している。

Soundwalk Collective & Patti Smith ‘Correspondences’ – kurimanzutto NY (installation view), courtesy of kurimanzutto

本展では、かれらの最新プロジェクトとなる「コレスポンデンス」を紹介する。これまでジョージア、コロンビア、ギリシャ、ブラジル、アメリカを巡回してきた本企画。日本では初の公開となり、今年で30周年を迎える東京都現代美術館が、従来の展覧会の形式にとどまらない実験的なプロジェクトや、他の組織との共同事業を展開する新たな企画「MOT Plus」の一環として開催する。

「コレスポンデンス」はサウンドウォーク・コレクティヴとパティ・スミスによる長年におよぶ協働プロジェクトであり、かれらが現在まで交わしてきた“対話”から生まれた作品だ。現在進行中で絶えず進化し続けるこの協働プロジェクトは、さまざまな土地の「音の記憶」を呼び起こし、芸術家や革命家、そして気候変動の継続的な影響の足跡を体現している。ステファンが詩的な霊感や歴史的な重要性をもつ土地を訪れフィールドレコーディングによって「音の記憶」を採集し、パティがその録音との親密な対話を重ねて詩を書き下ろし、さらにそのサウンドトラックに合わせてサウンドウォーク・コレクティヴが映像を編集。こうした“往復書簡(=コレスポンデン ス)”によって生まれた本展の根幹を成す 8 つの映像が、本会場に合わせて構成されたオーディオビジュアル・インスタレーションとして展示され、 展示空間全体をサウンドウォーク・コレクティヴのフィールドレコーディングとサウンドデザイン、パティ・スミスの声で包み込み、観者を合計約2時間の没入型体験へ誘う。

Soundwalk Collective & Patti Smith ‘Correspondences’ – kurimanzutto NY (installation view), courtesy of kurimanzutto

【プロフィール】

サウンドウォーク・コレクティヴ(Soundwalk Collective)
サウンドウォーク・コレクティヴは、アーティストのステファン・クラスニアンスキーとプロデューサーのシモ ーヌ・メルリが率いる現代音響芸術コレクティヴ。アー ティストやミュージシャンとの共同作業により、コンセプトや文学、芸術的なテーマを検証するために、場所や状況に応じたサウンドプロジェクトを展開。パティ・ス ミスや映画監督のジャン=リュック・ゴダール、写真家のナン・ゴールディン、振付家のサシャ・ヴァルツ、女優 で歌手のシャルロット・ゲンズブールといったアーティ ストたちとの長期的なコラボレーションを行なう。彼ら の実践はアートインスタレーション、ダンス、音楽、映画と多岐にわたり、音を詩的で感触を伴う素材として扱 うことで異なるメディアを結びつけ、複層的な物語を創造することを可能にしている。2022 年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したローラ・ポイトラス監督の 『美と殺戮のすべて』ではオリジナルサウンドトラックを制作した。これまでポンピドゥ・センター(パリ)、ドクメンタ(カッセル)、クンストヴェルケ現代美術センタ ー(ベルリン)、ニューミュージアム(NY)などで展示 やパフォーマンスを発表している。

Photo by Vanina Sorrenti B

パティ・スミス(Patti Smith)
パティ・スミスは 1946 年シカゴで生まれ、ニュージャー ジー州南部で育ったのち、1967 年ニューヨークに移住。 詩とロックを融合させた革新的なアルバム『ホーセス』 (Horses, 1975)でデビューして以来、数々のアーティストやミュージシャンに影響を与え、世界的な文化アイコンとして知られる。音楽、著作、パフォーマンス、視覚芸術における業績は各分野で高く評価されており、グラミー賞に 4 度ノミネートされたほか、『ホーセス』は米国議会図書館の国家保存重要録音物登録簿に登録されている。また写真や絵画、インスタレーションを手がけるアーティストとしても活躍し、世界中のギャラリーや美術館で展示を行なっている。著作に全米図書賞を受賞したベストセラー回顧録『ジャスト・キッズ』のほか、『ウールギャザリング』『M トレイン』『無垢の予兆』など多数。2020年にペン/フォークナー賞を受賞し、コロンビア大学から名誉博士号を授与。2022 年には彼女の生涯の業績を称えて仏レジオンドヌール勲章を受勲した。

Photo by Jesse Paris Smith

【開催概要】

タイトル:MOT Plus  サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス

会期:2025年4月26日(土)〜 6月29日(日) *休館日 月曜日(5月5日は開館)、5月7日

会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F(東京都江東区三好4-1-1)

時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)

観覧料:一般 1,800 円 /小学生以下無料

展覧会URL:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/MOTPlus-correspondences/

■関連プログラム
4月26日にアーティストトークを予定。申し込み方法・詳細は MODE インスタグラム、東京都現代美術館のウェブサイトで順次公開。