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NANZUKAにて佃弘樹の新作個展「199X」開催。初日にはアーティストを囲んでレセプションも開催。

2018.08.30

©Hiroki Tsukuda
Courtesy of the artist and NANZUKA

佃弘樹の新作個展「199X」が、東京・渋谷のギャラリーNANZUKAにて9月1日より開催される。

佃にとって4年ぶり、4度目のNANZUKAにおける個展である本展は、佃がこれまで発展させてきた、日常品やファウンドオブジェクトを用いたインスタレーションとインクペインティングの他、新たに写真と即興で描き上げたドローイング、また記号的な幾何学模様をシルクスクリーンで印刷したアクリルフレームと組み合わせるなど、新たな手法にチャレンジしている。

本展のタイトル「199X」は、特に佃が青春期に接した映画、漫画、小説に頻繁に登場した世紀末思想に起因する。例えば、映画「2001 年宇宙の旅」(1968)や「マッドマックス」(1979-1985)、「ブレードランナー」(1982)、「ロボコップ」(1987-1990)、漫画「北斗の拳」(1983-1988)などで描かれた「事後の世界」は、少年佃の未来像に大きな影響を与え、それはやがてアーティスト佃の重要な原風景となった。

今回、佃は199X年に文明が滅んだと仮定した新世界を表現する事によって、世界が西と東に分かれ、核戦争という言葉が決して絵空事ではなかった時代の不安や絶望、あるいは反作用的に爆発的に沸き上がった様々なエネルギー、世紀末の高揚感や新世紀への期待といった当時の記憶と、2018 年現在におけるAI の進化、SNS やVR の発展による仮想空間への依存、実際に身近(日本)で起きている放射能の問題など現代社会が抱える多くの問題や閉塞感を、対比的に俯瞰しようと試みている。

【プロフィール】

佃弘樹は、1978年香川県生まれ、武蔵野美術大学映像学科を卒業、以後東京を拠点に活動しているアーティスト。

近年は、「HOUR OF EXCAVATION」(Neuer Aachener Kunstverein、アーヘン、ドイツ、2017)、「HIROKI TSUKUDA」(Galerie Gisela Capitain、ケルン、ドイツ、2017)、「Enter the O」(Petzel、ニューヨーク、2016)と精力的に個展を開催し、昨年発表した大作がニューヨーク近代美術館に収蔵されるなど、その国際的な評価を急速に高めてきた。

佃の手描きの平面作品は、多くの場合、自身のドローイングやスナップショット写真の集積を組み合わせたデジタルコラージュを経由する。佃は、素材となるひとつひとつのイメージの色彩、上下左右の関係性、解像度といった項目を操作し、固定されたイメージを一度破壊する事から制作を始める。こうした創作過程は、佃が影響を受けたという芸術家アンドレブルトンの提唱した「幻を視る力」の現代的な解釈に派生すると言う事ができるかもしれないが、それは決して視覚的なトリックを意図したものではない。佃は幼少期の頃より、自身の単元的な視覚を疑い、多元的な視覚認識の存在を信じることから、自ら「もうひとつの世界」と呼ぶ世界の存在を信じてきた。例えば、大自然の風景の中に突如として現れた巨大建築物、組み合わせによって違う形態に見える物体など、相対関係によって物事の意味が変わる事
例は、佃の重要なインスピレーションとしてその脳内に記録されている。

【開催概要】

タイトル:佃弘樹個展「199X」

会期:2018年9月1日(土)~9月29日(土)11:00~19:00(日・月・祝日休廊)

会場:NANZUKA(東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F)

【オープニングレセプション】

日時:2018年9月1日(土)18:00−20:00 ※アーティスト在廊

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