美しい里山が舞台の国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ2025」が9月13日より開催
2025.08.25

群馬県中之条町で隔年開催される国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」が、2025年9月13日(土)に開幕し、31日間にわたり開催される。
雄大な山々、ラムサール条約登録湿原、歴史ある温泉郷、養蚕や天蚕の文化、そして受け継がれる民俗行事。中之条町には、他では出会えない美しい里山文化が息づいているのが魅力だ。
アーティストたちは、この特色ある山村に滞在し、地域と交わりながら作品を生み出す。そこで培われた表現の成果が、中之条ビエンナーレという舞台で一斉に立ち上がる。
参加アーティストは147組を予定。作品は「中之条市街地」「伊参」「四万温泉」「沢渡暮坂」「六合」の5つのエリアにて、50箇所の展示会場にて展示される。そのほかパフォーマンスなどの実施も予定されている。
■総合ディレクターコメント
群馬県北西部の山村地域で江戸時代から盛んに生産されていた絹糸、数万年の時間をかけて生物が作り出した鉄鉱石を採掘していた群馬鉄山。かつて家族総出で光り輝く絹糸をつくり、質の高い群馬県産の絹糸は世界を席巻しました。そして戦時中から戦後にかけて、山深い森から採掘された鉄鉱石を運ぶための線路が引かれ、駅舎の周辺には明かりが灯り、里山は働く人で賑わっていたと聞きます。
現在では養蚕農家や桑畑の殆どは無くなり、鉄鉱石を運んだ線路と駅は最近まで土に埋もれていました。かつて産業が盛んであった時代に爆発的に増えた人口の面影は、多くの空き家や廃校、掘り起こされた近代遺跡から当時の様子が思い起こされます。
この終焉を迎えた絹糸と鉄鉱石の時代から、現代アートという新しい風が吹いています。中之条ビエンナーレでは、かつての「光ノ山」を理想郷と仮定し、私たちがいま立っているこの土地の未来を描くことを試みます。
民俗学者や文学者がかつて描いた世界、常世、ニライカナイ、イーハトーブのような理想郷の一つとして、「光ノ山」に私たちは辿り着くことができるのでしょうか。中之条ビエンナーレ2025は10回目を迎え、新たな展開が始まります。この美しい山々の物語が、未来への希望となることを願っています。
ーー総合ディレクター 山重徹夫
【概要】
タイトル:中之条ビエンナーレ
会期:2025年9月13日(土) 〜 10月13日(月祝) *無休
- 会場:群馬県中之条町 町内各所
時間:9:30-17:00
全期間鑑賞パスポート:3000円 / 平日のみ鑑賞パスポート2000円 / 高校生以下・町民 鑑賞無料
その他、「前売り価格」「セット価格」などはパスポートページにてご覧ください。