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宇宙×量子×アートを通して新たな表現の可能性を探る企画展が1月31日よりMOTにて開催

2025.12.03

東京都現代美術館にて、国連宣言による国際量子科学技術年(2025年)にあわせて、宇宙や量子などのサイエンス領域とアートのコラボレーションを通して「世界の成り立ち」や「見えない世界」について考える企画展「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」が2026年1月31日より開催される。科学者らによる宇宙研究と、アーティストによる宇宙をテーマとした作品群に加え、国産の「量子コンピュータ」による初のアート作品など、「時と空間」が不思議なふるまいを見せる「量子」の領域に取り組む、新たな表現の可能性を紹介する。

今世紀に入り、宇宙と芸術に関する企画展が次々と開催され 1)、「理想郷としての宇宙/身近になる宇宙」、「アーティストによる宇宙/リアルな宇宙」、「歴史的視点から見た宇宙」等をテーマとした美術展に加え、 近年は国内外のサイエンス・ミュージアムでも、アーティストによる作品が展開されている。

本展では、次世代へ向けて「量子的なセンス」の重要性について問いかけた「エンタングル・モーメント―[量子・海・宇宙]×芸術」展(大阪・関西万博、2025 年)の試みをふまえ、宇宙開発による「物理的宇宙」の探求のみならず、多元宇宙や量子宇宙の世界観を作品表現や技術・資料展示を通して取り上げ、我々をとりまく世界をアートとサイエンス領域から考察する。また、芸術領域を含む人文社会科学から宇宙をとらえる視点をもとに、アーティスト・イン・レジデンスを実践する国内外の研究機関の協力を得て、その成果を展示する。リアルインスタレーションに加え、XR展示やメタバース上の展開など重層的な展示を行い、研究者とアーティストの対話を通して「量子ネイティブ」2)な創造的思考・アイデアのヒントを探る。

1)「SPACE ODYSSEY 宇宙の旅」(水戸芸術館、2001 年)、「ミッション・フロンティアー知覚の宇宙へ」(東京都写真美術館/日本科学未来館、2004 年)、「ミッション[宇宙×芸術]―コスモロジーを超えて」(東京都現代美術館、2014 年)、「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、 チームラボ」(森美術館、2016 年)など。 2)デジタルネイティブと同様に、量子の知識や技術を使いこなし、次への発想に活かせる人材。

 

逢坂卓郎《生成と消滅》 2025年

理化学研究所《量子コンピュータXR》(制作:ライノスタジオ) 2025年

■展示のみどころ

1 拡張するアートのフロンティア いつの時代にも、何かを超えようと試みることはアートの重要な役割である。宇宙への旅が日常となりつつあり、量子研究が次の100年へと向かう今、領域を拡張しようとする作家たちの多様な試みを紹介する。

2 貴重な映像によるインスタレーション、アーカイブ 宇宙や量子の研究に基づくデータ可視化・可聴化の試みを、ダイナミックな映像インスタレーションとして展示。また、導入展示では、戦後からEXPO‘70の前後にかけて、科学と芸術の両域において先駆的活動を展開した科学者・芸術家らの貴重な資料を、現在に重なる特異点として紹介します。1970年の大阪万博がいわば「古典コンピュータアートの黎明」であるなら、今回展示される、2025年の大阪・関西万博で発表された作品群は、国産量子コンピュータによる「量子コンピュータアートの黎明」と言うべき試みを創出し ている。

3 体験型展示・イベント メタバースやゲームの形式で宇宙や量子を体感できる作品群やXR展示、流転を続けるインフィニティ空間 や、宇宙から届くミューオンやニュートリノを身近に感じさせる試みを展開する。また会期中には、参加アーティストや協力機関の研究者・開発者らが、アートとサイエンス/テクノロジーについて、「かさねあわせ・もつれ・かんそく」など、量子的な概念に基づく創造的思考について語りあう。

参加作家・機関
久保田晃弘+QIQB、平川紀道、ARTSATプロジェクト(久保田晃弘|平川紀道)、逢坂卓郎、落合陽一、江渡浩一郎+アラレグミ、安藤英由樹+田中成典、古澤 龍、森脇裕之、片岡純也+岩竹理恵、藤本由紀夫+永原康史、田中ゆり+有賀昭貴+パヴレ・ディヌロヴィッチ、吉本英樹、JAXA宇宙科学研究所(ISAS/ 天文仮想研究所(VSP) / 東京藝術大学、アンリアレイジ、Useless Prototyping Studio、種子島宇宙芸術祭実行委員会、量子芸術祭実行委員会 他

Useless Prototyping Studio《Black Hole Recorder》 2021年

 

【展覧会概要】

タイトル:ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術

会 期:2026年1月31日(土)〜  5月6日(水・振休)

会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F、ホワイエ他(東京都江東区三好4-1-1)

休館日:月曜日(2月23日、5月4日は開館)、2月24日

時間:10:00 〜 18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)

観覧料:一般 1,800円/大学生・専門学校生・65歳以上 1,260円/中高生 720円/小学生以下無料

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