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クリエイティブな「おさなごころ」を思い起こし、こどもと大人が一緒に楽しめる「おさなごころを、きみに」展が東京都現代美術館にて開催中

2020.07.31

親子や幅広い年齢層がともに美術館を訪れ、誰もが持つおさなごころを体験的に問い直し、優れた芸術表現の可能性を知る「はじめの一歩」となる企画として「おさなごころを、きみに」展が東京都現代美術館で開催されている。

本展は、かつてこどもだった私たち―大人が忘れてしまったクリエイティブな「おさなごころ」を思い起こし、 メディアテクノロジーによる作品や映像を通して、こどもと大人が一緒に楽しめる展覧会だ。触覚、身体、音と言葉、忘却、宇宙などをテーマとした空間を巡りながら、インタラクティブ体験、身体表現、音や文字による 作品資料や映像上映、東京都現代美術館のコレクション展示を体験できる。

併せて、教育機関や地域と連携した オープンワークショップを会期中に展開予定。 また、本展は「こどものための現代美術展」であると同時に、大人/こどもを往来する、いわばネオテニー(幼 形成熟=こどもの姿でありながら大人である)的なこころのありかたをベースにしている。展示を通して、戦後から現在まで日本から世界に発信され、高く評価されている新旧のアート&テクノロジーを知る/考えることを試みている。

来館者は作品表現をこまやかに鑑賞し、身体を動かして作品の一部になったり、記念写真を撮った り宇宙に触れたりしながら、空間を巡る。そして、作品上映を楽しんだあと、展覧会の最後には、見慣れた世界の面白さを取り戻すために、「はてしない物語」(ミヒャエル・エンデ作)のように、忘れていた「本当の名前」を受け取る。老いも若きも、親子もお友だちも、カップルもおひとりさまも、まるで生まれかわるように、新たな気持ちで美術館をあとにすることができるだろう。

芸術も社会も新たな局面を迎えつつあるいま、私たちは技術や文化の特異点(シンギュラリティ)の中にいるのかもしれない。2020年の夏から秋のひととき、誰もが内包する「おさなごころ」を思いだし、次なる表現の可能性について考える展示を楽しみたい。

 

吉岡徳仁《ROSE》2013年 東京都現代美術館蔵 Photo by TOKUJIN YOSHIOKA Inc.

 

【展覧会 3つのポイント】

1. 巡って楽しむ展示空間と関連プログラム

東京都現代美術館コレクション作品による導入展示に始まり、ゆるやかに重なり合う「触覚」「身体」「音と言葉」「忘却」「銀 河」の空間を巡り、大型映像上映や、多様な年齢層を対象にしたオープンワークショップ(リモート開催を含め、会期中に展示室内で開催予定)を楽しめる。「忘却」「銀河」の空間を抜けると、まるで生まれかわるように展示空間を再び回遊することができる。

2. 高精細映像による作品上映

高精細な8Kの映像作品(導入展示・無料)を上映。微細な画面のすみずみに宿る表現の可能性にご注目。また、特別上映(3D・予定)をはじめとする関連プログラムを会期中に開催予定。

3. STEAM教育と気づきの展示

2020 年度からプログラミング教育が必修になり、STEM 教育(科学・技術・工学・数学)にA(Art)を加えた STEAM教育の重要性も広まっている中、本展では、1960 年代から現在まで、プログラミングによって制作され た、古くて新しい「生成される芸術」や「芸術と技術の融合領域」作品、現代美術領域でも一般化した VR(人工 現実感)や AR(拡張現実感)、高精細映像、人工知能、人間拡張工学(超人スポーツ含む)など、拡がる表現プラットフォームによる作品群をわかりやすく紹介。

 

名和晃平《PixCell-Bambi #10》2014年 東京都現代美術館蔵 Photo by Ichiro Otani

 

【展覧会概要】

タイトル:おさなごころを、きみに

会期:2020 年 7 月 18 日(土)- 9 月 27 日(日)

休館日:月曜日(8 月 10 日、9 月 21 日は開館)、8 月 11 日、9 月 23 日 開館時間 10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)

観覧料:一般 1,300 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,000 円 / 中高生 800 円 / 小学生以下無料

会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F(東京都江東区三好4-1-1)

 

ジュスティーヌ・エマール《Co(AI)xistence》2017年、ビデオインスタレーション(12分) with 森山未來 / オルタ(大阪大学石黒研究室、東京大学池上高志研究室) © Justine Emard / Adagp, Paris 2020