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平川祐樹が6月5日よりアンドーギャラリーにて、国内外で高く評価されている映像作品「Lost Films」シリーズの第5作を発表

2019.05.20

1983年に愛知県に生まれた平川祐樹は、場所や事物に宿る「時間」や「記憶」をテーマに、映像を主軸とした作品を制作している。近年取り組んでいる、失われた映画を扱った「Lost Films」シリーズは、国内外で高く評価され、2019年にはロッテルダム国際映画祭 (オランダ)、オーバーハウゼン国際短編映画祭(ドイツ)、ショートウェーブス映像祭(ポーランド)など数々の映画祭にて招待上映されている。

アンドーギャラリーで2回目となる本展では、2017年より制作している「Lost Films」シリーズの第5作となる映像作品「Rêve d’artiste La Magie à travers les âges(芸術家の夢 時代を越えた魔術)」を発表する。壁に投影された黒い背景に、古いフランス映画のタイトルと製作年が淡々と現れては消え、タイトルを朗読する女性の声が会場に響く。一見するとタイトルの羅列のように見えるが、それぞれのタイトルにゆるやかな繋がりがあり、詩的な意味やリズムが垣間見える。それらの映画は、かつて公開されたフランス映画で、雑誌やポスター、新聞などに記録はあるものの実際のフィルムが残っていない、いわば「失われた映画」だ。1930年代までに上映された日本映画のうち約95%が行方不明になっているのに対し、フランス映画の保存・修復率は驚くほど高く、映画大国フランスの底力が感じらる。現在の映画の基盤となるシネマトグラフを発明したリュミエール兄弟の作品に至っては、1895年の映画発明から1905年までに製作された1423本のうち、行方不明になっている作品はわずか18本のみ。一方で、同時期に活躍したジョルジュ・メリエスの作品は生涯製作した500本あまりのうち約半数が行方不明となっています。この事実には、二人の人物が経験した人生が如実に現れている。

本作「Rêve d’artiste La Magie à travers les âges(芸術家の夢 時代を越えた魔術)」を構成する映画タイトルの8割はジョルジュ・メリエス監督作品だ。メリエスはいわゆる「トリック撮影」の創始者で、「出現」や「消失」を多用し、夢や幻想、魔術などを扱ったファンタジー作品を多く残してきた。一時は大きな成功を収めたメリエスだったが、妻の死、経済的な破綻、そして第一次世界大戦の開戦などによって映画製作を継続できなくなり、次第に表舞台から姿を消していく。戦時中、メリエスの映画フィルムの多くは陸軍に没収され、セルロイドと銀の再利用に回された。1923年、自らのスタジオと劇場を失ったメリエスは自暴自棄になり、手元に残っていたネガフィルムに自ら火を放ったのだ。

「芸術家の夢 時代を越えた魔術」とは、平川が失われた映画作品リストの中に見出した、メリエスからのメッセージなのかもしれない。メリエス自身の手によって映画フィルムに放たれた火は、「消失」の魔術となり、再びここに時代を越えて「出現」する日を待っていたのだ。それはメリエスの「夢」であり、また平川自身の「夢」でもある。

 

【開催概要】

タイトル:平川祐樹   Rêve d’artiste La Magie à travers les âges” 

会期:2019年6月5日 (水) – 8月10日 (土)    日・月・祝日休

時間:11:00-19:00

会場:アンドーギャラリー(東京都江東区平野3-3-6)

*オープニングレセプション:6月5日 (水) 18:00-20:00