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3Dテクノロジーでキャラクターの繊細な感情表現を可能にするアーティスト、アダムス亜里咲の個展が原宿にて開催

2025.10.20

アメリカを拠点に活動するアダムス亜里咲による個展「ONE OF ONE」が、tHE GALLERY HARAJUKUにて開催。

アダムス亜里咲は3歳からアメリカに住み、シカゴのアートスクールを卒業。2018年春に日本へ拠点を移し、モデルやNHKのテレビ番組MCとして活動したのち、東京の活気あるアートシーンからインスピレーションを得て、現在は3Dソフトウェアと3Dプリンターを用い、ソフビやキャラクターフィギュアを制作している。

本展では、シメジ星から地球に迷い込んだ“おっくん”の記憶と出会いが、50体のソフビフィギュアに表現されている。

■アーティストステートメント
「One of One」
シメジ星から来た一人ぼっちのおっくんが地球という星で迷子になってしまいました。
時々落ち込むおっくんは、紙袋をかぶりながらシメジ星での生活を思い返すことがあります。
寂しさを感じる時には、こうして過去の楽しい思い出や素晴らしい出会いを思い出し、HAPPYを感じるようにしています。
この展覧会「One of One」では、そのおっくんの過去の大切な思い出や地球で新たに出来た思い出が50体のソフトビニールフィギュアに一つ一つ表現されています。

■キュレーターコメント
Arisa Adamsの作品は、一見すると絵本から抜け出したキャラクターのように愛らしい。丸みのあるフォルム、親しみやすい表情、どこか懐かしい質感。しかしその可愛さには微かな違和感や影が潜み、観る者の記憶をそっとかき乱す。怖がらせるわけではなく、甘さの奥に沈む“もうひとつの顔”を示す存在だ。だが、本当にラディカルなのはその表現世界よりも「方法論」のほうにある。3Dプリンターやデジタルモデリングという技術を、量産やプロダクトの論理ではなく、“個人の衝動を即座に形にする装置”として扱っている点だ。完璧さよりもスピード、既製品よりも自分の手、専門性よりも発想の瞬発力──それは70年代のパンクが音楽の現場でやったことと構造的に近い。
つまりArisaの作品は「パンクな見た目」ではなく、「パンクな生まれ方」をしている。
大量生産にも工業プロダクトにも従属せず、自分の世界観を自分の手で立ち上げる。
かわいさの裏側にある微細な違和、影、ねじれ。
そのすべてが“方法としての反抗”に支えられている。
この個展は、3Dという技術をプロダクト化や効率化ではなく、表現の自由・衝動・感情の器として使う可能性を示す場だ。パンクは音を壊すことではなく、ルールを勝手に書き換える態度だった。Arisa Adamsは、その精神を可視化しながら、まったく別の形で生まれ直させている。
ーー米原康正

 


【プロフィール】

アダムス亜里咲は日本の港区白金で生まれ、3歳の時に家族とともにラスベガスに移住。幼少期からアートに強い関心を持ち、小中学校時代はラスベガスのアートクラブに参加。高校から美術専門学校 L.V.A.に転校し、油絵と彫刻の勉強を本格的に始める。
その後、シカゴ美術館附属美術大学(SAIC)に進学し、ペインティング、パフォーマンス、デジタルアートを専攻。2018年春に日本へ拠点を移し、モデルやNHKのテレビ番組MCとして活動したのち、再びアート制作を開始する。
東京の活気あるアートシーンからインスピレーションを得て、現在は3Dソフトウェアと3Dプリンターを用い、ソフビやキャラクターフィギュアを制作。「ピュアな自分」というテーマを軸に、喜びや悲しみなど日常で湧き上がる感情をキャラクターの表情を通じて表現している。
2024年には再びアメリカへ拠点を移し、国際的に活動の場を広げながら、日本のアートシーンとのつながりも大切にしている。


【開催概要】

タイトル:アダムス亜里咲個展「ONE OF ONE」

会期:10月17日(金) ~ 10月26日(日)

会場:tHE GALLERY HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前3丁目20-21 ベルウッド原宿1階-C)

休廊日:月・火曜日

時間:11:00~19:00

http://thegallery-harajuku.com

<Opening Reception>
日時:10月17日(金) 18:00~20:00
場所:tHE GALLERY HARAJUKU