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女性美術家たちのダイナミックな挑戦の軌跡を辿る「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が 12月16日より開催

2025.09.16

山崎つる子《作品》1964 年、芦屋市立美術博物館蔵 ©Estate of Tsuruko Yamazaki courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa, Tokyo

1950年代から60年代の日本の女性美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから見直す展覧会「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が、2025年12月16日より東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリーにて開催。

新しい時代を象徴していた女性の美術家は、なぜ歴史から姿を消してしまったのか。当時、日本では短期間ながら女性美術家が前衛美術の領域で大きな注目を集めた。これを後押ししたのは、海外から流入した抽象芸術運動「アンフォルメル」と、それに応じる批評言説だった。しかし、次いで「アクション・ペインティング」という様式概念が導入されると、女性美術家たちは如実に批評対象から外されてゆく。豪快さや力強さといった男性性と親密な「アクション」の概念に男性批評家たちが反応し、伝統的なジェンダー秩序の揺り戻しが生じたのだ。

本展では『アンチ・アクション』(中嶋泉[本展学術協力者]著、2019年)のジェンダー研究の観点を足がかりに、草間彌生、田中敦子、福島秀子ら14名の作品およそ120点を紹介。「アクション」の時代に別のかたちで応答した「彼女たち」の独自の挑戦の軌跡に注目いただきたい。

■出品作家
赤穴桂子(1924-98)、芥川(間所)紗織(1924-66)、榎本和子(1930-)、江見絹子(1923-2015)、草間彌生(1929-)、白髪富士子(1928-2015)、多田美波(1924-2014)、田中敦子(1932-2005)、田中田鶴子(1913-2015)、田部光子(1933-2024)、福島秀子(1927-1997)、宮脇愛子(1929-2014)、毛利眞美(1926-2022)、山崎つる子(1925-2019)

 

榎本和子《断面 (Ⅰ)》1951年 板橋区立美術館蔵


■見どころ

1 最新の研究に基づく歴史の見直し
女性美術家の再評価が進む近年、本展では『アンチ・アクション─日本戦後絵画と女性画家』(ブリュッケ、2019年、第42回サントリー学芸賞受賞/『増補改訂 アンチ・アクション—日本戦後絵画と女性の画家』筑摩書房、2025年)の著者・中嶋泉氏の全面的な協力により、ジェンダー研究の観点から日本の戦後美術史に新たな光を当てる。本展カタログには、同研究の第一人者であるイギリスの美術史家グリゼルダ・ポロック氏のインタヴューも収載する。

2 初公開作品
関係者のご協力と本展のための綿密な調査により、赤穴桂子、多田美波、宮脇愛子らの、これまで紹介されていなかった初期作品や、未発表作品を展示。各作家たちの知られざる創作と、新たな魅力に出会える貴重な機会となる。

3 充実した情報
「アンチ・アクション」のコンセプトを一望できる年表を掲示するとともに、本展に関わる様々なトピックを紹介するガイドを会場で配布。わかりやすく、多面的に、作家たちの活動や時代背景などを知ることができる。

4 ダイナミックな展示
ライトを用いた立体作品や天井高に迫る3.3mの絵画など、新たな時代に躍り出た作家たちのダイナミックな作品が一堂に会する。時代を共有する14名の作品が有機的につながる空間を体験することができる。

 

江見絹子《空間の祝祭》1963 年、個人蔵

 

【開催概要】

タイトル:アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦

会期:2025年12月16日(火)~2026年2月8日(日)

会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園3-1)

休館日:月曜日(ただし1月12日は開館)、年末年始(12月28日 ~ 1月1日)、1月13日

開館時間:10:00 ~ 17:00(金・土曜は10:00~20:00)※入館は閉館の30分前まで

観覧料:一般2,000円(1,800円)大学生1,200円(1,000円)
*いずれも消費税込。
*()内は20名以上の団体料金。
*高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。
それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
*本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。

チケット販売:東京国立近代美術館(当日券)、公式チケットサイト(e-tix)にて販売。

お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

主催:東京国立近代美術館、朝日新聞社

展覧会サイト:https://www.momat.go.jp/exhibitions/566